「隠し湯」としての効能(負傷の治療)別所温泉は真田氏の領地近くにあり、戦国時代には戦で負傷した将兵や真田一族が傷を癒やす「隠し湯」として利用されていました。
特に、幸村の隠し湯と言われる「石湯」は、アルカリ性単純硫黄泉で、殺菌力や傷を治す効果が高く、戦いの疲労回復に最適でした。
物語(『真田太平記』)上の舞台池波正太郎の小説『真田太平記』では、幸村がこの温泉で女忍者・お江(こう)と出会い、安楽寺に馬を預けて温泉へ向かうなど、ロマンチックな物語の舞台として描かれています。
上田城からのアクセスの良さと隠れ家的な場所真田氏の拠点である上田城からほど近い、標高約600mの塩田平に位置しており、戦略的な要所でありながら静かに羽を休められる場所でした。
「信州最古の湯」としての歴史と泉質1500年以上の歴史を持つ「信州最古の温泉」であり、肌が滑らかになる「美人の湯」としても知られています。
北向観音の地下から湧き出る温泉は、当時の武将たちを心身ともに癒やしていました。
これら歴史的な背景と物語上の描写が組み合わさり、別所温泉は「真田幸村ゆかりの温泉」として現代でも親しまれています。
外湯がたったの250円だと!? 真田幸村が愛した名湯『別所温泉』 …
社会の荒波にもまれ、労働という戦で傷ついた心身を癒すべく「真田幸村隠しの湯」と伝えられる別所温泉で、男を磨くことにする。
天下の義士・真田幸村」※。
「大坂の陣」での華々しい活躍の裏には、信州の山深くで牙を研ぎ、心身を癒やした『隠れ湯』の存在がありました。
今回は、私歴史ブロガーが真田幸村が愛した伝説が残る別所温泉を舞台に、名将の休息と再生の物語を紐解きます。
※.天下の義士・真田幸村とは、一言で言えば、「日本中で誰もが認める、忠義と正義を貫いた武士」という意味で、 自分の利益ではなく、正義や忠義のために命をかける人。
真田幸村=信繁は、圧倒的に不利な状況だった大坂の陣において、豊臣家への義理を通し、最強の敵である徳川家康の本陣をあと一歩まで追い詰めました。
その姿を見た当時、徳川家康を守っていた敵方の武将等が、「日本一の兵(ひのもといちのつわもの)」と称賛しました。
真田幸村と温泉の意外な関係
戦国という激動の時代を駆け抜けた武将たちにとって、温泉は現代のような単なる行楽地ではありませんでした。
それは、戦場で受けた刀傷や鉄砲傷を癒やし、極限まで張り詰めた心身を解きほぐすための、いわば「聖域」だったのです。
特に、信州の厳しい風土で育った真田幸村=信繁にとって、湯に浸かる時間は、次なる策を練るための大切な「静」のひとときであったに違いありません。
別所温泉の石畳に一歩足を踏み入れると、どこからともなく漂ってくるほのかな硫黄の香りが、訪れる者を優しく迎えてくれます。
かつて火薬の匂いに包まれて戦場を駆けた幸村も、この独特の香りを嗅いだ瞬間に、ふっと一人の人間に戻れたのではないでしょうか。
▲イメージです
湯船に満ちたお湯は、驚くほどとろりとしていて、肌に吸い付くような柔らかな感触が特徴です。
その温もりに身を沈めれば、泥にまみれ、傷ついた体も、まるで慈雨に打たれるように再生していく。
そんな「不屈の精神」を支えた再生の儀式が、この地では人知れず繰り返されていたのかもしれません。
日が暮れ始めると、温泉街はさらに幻想的な表情を見せます。
立ち並ぶ宿から漏れる灯りが湯気を白く浮かび上がらせ、遠くに見える上田の山々が夕闇に溶けていく景色は、時を越えて幸村が見たであろう情景と重なります。
幸村はこの静寂の中で、何を想い、何を覚悟したのか。温泉という存在は、彼にとって単なる休息の場ではなく、己の志を再確認するための、なくてはならない作戦会議室でもあったのです。
別所温泉の五感
長野県の「信州最古の湯」として知られる別所温泉は、歴史ある町並みと豊かな自然が融合しています。
【匂い】ほのかな硫黄の臭いがする、温泉街に足を踏み入れると、どこからともなく漂う卵のような硫黄の匂いがします。
それは戦場での火薬の匂いを忘れさせ、戦士の心を「日常」へと引き戻す合図でした。
【湯の感触】とろりとした肌触りがする別所温泉の湯は「美肌の湯」としても知られ、肌に吸い付くような柔らかい質感です。
刀傷や打ち身で強張った幸村の体を、優しく解きほぐしていく様子が目に浮かびます。
【視覚】湯気の向こうに見える上田の山々の風景、外湯「石湯」の周辺は、険しい山に囲まれています。
湯気に煙る山影を見ながら、幸村は奪還すべき上田城や、父・昌幸の教えを思い出していたかもしれません。
傷を癒やした上田城を思った隠れ湯
奪還すべき上田城には、真田幸村の深い愛着と、武士としての意地が込められ、この城は単なる拠点ではなく、父・真田昌幸が築き上げ、二度にわたって徳川家康・秀忠の大軍を退けた真田の知略と誇りの象徴でした。
しかし、慶長5年(1600年)の関ヶ原の戦いで西軍が敗れたことにより、幸村たちの運命は暗転します。
戦後、幸村と父・昌幸は高野山麓の九度山へと配流され、主を失った上田城は徳川家康の管理下に置かれました。
家康は、徳川軍を二度までも苦しめたこの「尼ヶ淵(あまがふち)の名城」を恐れ、慶長6年(1601年)には城の破却を命じます
堀は埋め立てられ、強固な石垣や建物も徹底的に破壊され、さらに城の管理は徳川方に残った兄・真田信之に委ねられ、幸村にとっては、故郷でありながら決して手の届かない「奪われた聖地」となってしまったのです。
九度山での長く苦しい蟄居生活の間も、幸村の胸中には常に、かつて小勢で大軍を破った上田の情景があったはずです。
幸村が大坂の陣で豊臣方として再び表舞台に立った際、その志の先には、徳川の天下を覆し、九度山からの解放を勝ち取ること、そして何より、真田の魂が眠る上田城を自らの手に取り戻すという、切実な「奪還」の目標があったと言えるでしょう。
別所温泉
別所温泉は「信州の鎌倉」と称される、1400年以上の歴史を持つ静かで情緒あふれる温泉地です。
北向観音を中心に寺社や老舗旅館、3つの外湯(石湯、大湯、大師湯)が点在し、レトロで落ち着いた空間が広がっています。
信州の自然に囲まれた中で、心身を癒やす散策やワーケーションにも適した、風情ある温泉街です。
別所温泉の主な雰囲気と特徴・歴史
別所温泉は信州最古の温泉で皇室が選んだ日本三御湯の一つで、別所温泉の源泉の歴史は古く、記録で確認できるのは、平安時代の825年からです。
多くの寺社仏閣があることで古くから「信州の鎌倉」と呼ばれる別所温泉は、1400年の歴史を誇る信州最古の温泉地。
温泉街の真ん中にあり、厄除と現世利益を願う北向観音の下から湧き出る温泉は、疲れた心を癒してくれる御利益のある良質のお湯です。
別所温泉の旅館に泊まって何度も入浴することで温泉の効能と御利益をたっぷりと享受できます。
古来、枕草子にも「七久里の湯」として登場し、美人の湯として、かつて女性はお嫁に行く前に別所に通い、肌を整えてからお嫁入りしたそう。
別所温泉の湯は、PH※18.0〜9.0の弱アルカリ性単純硫化泉で温泉の質は非常に柔らかく、お肌の不要な角質をとり、ツルツル効果と美肌効果が期待でき、入浴後は洗い流さずにおくとより効果的です。
※1.PH(ピーエイチ/ぺーハー)は、水溶液の性質が酸性かアルカリ性かを示す指標で、「水素イオン濃度」の略称です。
0~14の数値で表され、7が中性、7未満が酸性、7より大きいとアルカリ性となります。
数値が小さいほど酸性が強く、大きいほどアルカリ性が強くなります。
【歴史と文化の薫り】「信州最古の温泉」とも言われ、国宝・八角三重塔がある安楽寺や北向観音など、中世の寺社仏閣が点在する落ち着いた佇まいです。
【レトロな共同浴場(外湯)】真田幸村の隠し湯と伝わる「石湯」など、それぞれ個性的な3つの外湯があり、地域の人々や観光客で賑わう温泉情緒を感じられます。
【静かで心身が休まる環境】男神岳と女神岳に囲まれた自然豊かな地で、都会の喧騒を離れてゆったりと過ごせる「ツウ向け」の癒やしスポットです。
【散策とグルメ】北向観音の参道にある古民家カフェや、160年以上続く老舗の「鎌原まんぢゅう」などを楽しむことができます。
別所温泉の泉質
泉質:単純硫黄温泉(低張性アルカリ性温泉)
泉温:51.3度
一般適応異性:神経痛、筋肉痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、うちみ、くじき、慢性消化器病、痔病、冷え性、病後回復期、疲労回復、健康増進
利用別適応:浴用 / 慢性皮膚病、切りくず、糖尿病、飲用 / 糖尿病、痛風、便秘
別所温泉駅近くの共同浴場
北陸新幹線「上田」駅から上田電鉄別所線で終点「別所温泉」駅で下車。
共同浴場・大湯
別所温泉駅から徒歩約5分の所にあり、木曽義仲ゆかりの湯だそうです。
入り口に飲泉所有:なかなか強烈な硫黄臭がします。
入浴料:大人250円
石鹸類は浴場にはありませんので、必要なら自動販売機で購入する。
源泉名:4号源泉と大湯 大滝の湯(※源泉が2つあり)。
泉質:アルカリ性単純硫黄温泉。
源泉温度:50.4度(4号)・38.9度(大滝)。
ph:88(4号)・8.7(大滝)。
湯出量:不記載 循環 消毒有(冬季のみ加温有)。
※.「4号源泉」と「大湯 大滝の湯」を混ぜて使用してます。
この施設の独自の湯が「大滝」だけです。
「大滝」の方が質的には良いと思います。
外湯
この共同施設には、外湯があり透明・無味・無臭で色もすっかり薄くなっています。
共同浴場・大師湯
別所温泉駅から徒歩約10分弱の所にあり、北向観音のお膝元にあって、この北向観音は天台宗で慈覚大師ゆかりの湯なので大師湯だそうです。
文化財の愛染カツラの大木があります。
▲愛染かつらの大木
入浴料:大人250円。
石鹸類は浴場にはありませんので、必要なら自動販売機で購入する。
脱衣場にドライヤーなしです。
源泉名:3号源泉。
泉質:アルカリ性単純硫黄温泉。
源泉温度:43.5度。
湧出量:不記載。
ph:91完全源泉掛け流し。
湯出量:不記載 循環 消毒有(冬季のみ加温有)。
※.地元民専用の共同浴場という感じの施設だがお湯は源泉掛け流しで申し分ないです。
共同浴場・石湯
別所温泉駅から徒歩約10分の所にあり大師湯から徒歩1分(目と鼻の先)。
真田幸村公の「かくし湯」だそうです。
入り口の飲泉所有:なかなか強烈な硫黄臭がします。
入浴料:大人250円。
石鹸類は浴場にはありませんので、必要なら自動販売機で購入する。
貴重品の預かりロッカーあり。
源泉名:4号源泉。
泉質:アルカリ性単純硫黄温泉。
源泉温度:50.4度、沸出量:不記載
ph:88 加水・循環・消毒有。
湯出量:不記載 循環 消毒有。
日帰り温泉・あいそめの湯
別所温泉駅から徒歩約1分の所にありますので、共同浴場に入ってから最後にここでくつろぐ事をお勧めします。
石鹸もドラやーも無料ですから。
名前の由来:北向観音の愛染カツラから来てるそうです。
ここは共同浴場ではなく日帰り温泉施設といった感じです。
受付前には、物販コーナー・食事コーナー・ラウンジ・休憩所あり。
石鹸類・ドライヤーあり無料、岩盤浴は別料金:一律:650円(作務服・敷タオル・フェイスタオル含む)
ホール・交流室についての使用料はお問い合わせください。
入浴料:一般650円・小中学生300円・未就学児童は無料
※.障害者の方は手帳を提示してください。
大人320円・小中学生150円バスタオル・フェイスタオルは有料です。
源泉名:4号源泉。
泉質:単純硫黄温泉。
源泉温度:50.9度、湧出両:不記載。
ph:89 加温・循環・消毒有。